鈴木チーズ先生書き下ろし!アイドル★ハラスメント3発売記念SS

僕、兎丸比奈には秘密がある。
って言っても、枕営業でお仕事貰ってるとかその程度なんだけど
それは趣味も兼ねているから詳しくは割愛するね。
僕のクライアントは主にいじめて欲しいとか、 いたぶって欲しい
という、表面上は抑圧した性癖をかかえたドMばかり。
当然、今日はこんな風に言って欲しいとか、
こんなプレイがしたいとかいったおねだりもあって、優しい僕は、
気分がのったらそんな家畜たちのお願いを聞いてあげたりもしていた。
その日、お願いがあるとクライアントが取り出した道具は、
今ではあまり見ない、刺さるほどにヒールのとがった赤いハイヒールだった。

「兎丸くん、今日はこれを履いてくれないか?」
「はぁ?!」

美少年(当然僕のことだ)に全裸フル勃起で真っ赤なハイヒールを差し出すイケメン……
これほどシュールな構図もなかなかないと思う。
これでいて、表に出たらテレビや映画にひっぱりだこな実力派イケメン俳優で通っているっていうんだから
ホント、人って見かけによらないよね。
実際は一回り以上年下の僕に踏んで欲しいと涎を垂らしてねだる変態だっていうのにさ。

「なにこれ、もしかしてこれで踏んで欲しいわけ?」

その変態俳優へ、僕はこれ以上ないという程冷ややかな視線を向けた。
しかし、虫けらでも見るような侮蔑のまなざしすら快感になるのか、
男の下半身は嬉しそうに震えている。本当に変態だ。

「あんた、ホント踏まれるの好きだよね」

呆れたような雰囲気は残したまま、クライアントのおねだりを聞いてあげようとハイヒールへ手を伸ばす——、
が、ふと閃いてその手をすぐに引っ込めた。
ただ履くだけではつまらない。どうせならそれすらも屈辱的な方がより楽しめるはずだ。
にこり、とさっきまでとは打って変わって天使の様に可愛いと評判の微笑みを僕は男に向けてやった。

「どうせだからあんたが履かせてよ」
「え? も、もちろん……」
「ただし、手は使わずに口だけで、ね? 上手に出来たら踏んであげる」

僕から思わぬ命令に、一瞬ぽかんとした男だったが、
すぐに意味を理解したのか嬉しそうに手に持ったハイヒールを口に咥えだす。
せめてもの情けで目の前に僕のほっそりと白い足を差し出してやると、
すぐさまご褒美を求めて咥えたハイヒールを近づける。
流石に口だけで履かせるのは難しいのか、途中で靴を落としそうになりながらも
何とか両足にハイヒールを履かせることに成功する。

女性もののハイヒールは、驚くほど僕の足にぴったりとはまっていて、
まるで某おとぎ話のガラスの靴みたいだ、とつい似合わないことを思ってしまう。
今の状況はそんな可愛らしいものでは決してないけれど。

口で靴を履かせるという屈辱的な行為に興奮したのか、
その先を想像してか男のすでに高ぶりきった先っぽからは透明な雫が絶え間なくこぼれている。
夢にまで見た僕の姿に我慢できなくなった男は、
目の前のつま先に口づけると急かすように懇願の言葉を漏らした。

「ちゅっ……はぁ……早く……この足で俺のものを踏んで、んっ……下さい……」

言葉を発するたびに真っ赤なヒールの上をちらちらと舌がたどっていく。
夢中でしゃぶりつく男の口淫を思わせる動きに、
思わず自分が舐められている様な錯覚を起こして、ジワリと下半身に熱が籠るのを感じる。
あっという間に唾液で濡れたハイヒールはより淫靡さを増し、
ただの靴から性の道具へと完全に姿を変えていた。

「もうダラダラこぼして……我慢も出来ないなんて猿以下だね。
 こんなだらしない蜜が詰まってる袋、いっそ一個ぐらいつぶれちゃったほうがいいんじゃないの?」

言いざま、男の口からつま先を引き抜くと、
そのままぐっと力を入れ望み通りその陰部にヒールをめり込ませる。

「ひぐっ……あっ、うあああ……っ!!!!」

途端にヒイヒイと涎とともに悲鳴にも似た喘ぎ声がこぼれた。
その声は多分に甘さを含んでいて、与えられる痛みを本当に悦んで受け止めていることが分かる。
力を入れるたびおもしろい程洩れる嬌声にあおられて、
さらにねじったり引っかけたりと変化をつけながら双袋への刺激を強くしてく。
もちろん、加減は忘れない。
間違って本当につぶれてしまったら事だし、そのせいで営業が出来なくなっても困るからね。
もしかしたらつぶされるかもしれない、という絶妙の力加減で、
たっぷりと重くなった袋を僕は徐々に踏み潰していった。

「もう……はぁ……もっと強く……っく、ああんっ!」

硬いヒールに擦られて、薄い皮膚から血が滲んでいるのにもかかわらず、 男はもっともっとと僕にねだる。
陰嚢への刺激だけで男のモノは今すぐにでもはじけそうなくらい硬くそそり立っていた。
ひとくちにMといっても好みには色々種類がある。
言葉でなじられるのが好きなやつ、複数じゃないと燃えられないやつ、
もちろん、こんな風に直接体を痛めつけることで快感を得るやつもいる。
この男は特にその趣向が強いみたいで、少し血が滲んだくらいでは、
引くどころか、快感を増幅させるスパイスにしかならないらしい。

大の大人が涙と涎をこぼしながら乱れていく様が僕は大好きだ。
普段、とりすましてお高く留まっているタイプほど、そのギャップが強く、
陥落させた時の壊れ方がひどくなる。

「と、兎丸くん……もうイかせて……っ」
「まだだーめ」

あとひと踏みすればイける、というところまで男をあおると、
僕は踏みつけていた足から簡単に力を抜く。
途端に恍惚とした笑みを浮かべていた男の顔が絶望の色に染まっていった。
やっぱり何度見ても、この突き落とされた時の表情がたまらない。
ずくり、と下半身が疼くのを感じて、思わず興奮で乾いたくちびるをぺろりと舐めた。

「まずは僕をイかせてからだよ。
 家畜がご主人様より先にイくとかありえないでしょ?」
「は……はい……」

日頃の調教の成果からか、手を使わず、顔をうずめてまさぐるように男は僕のモノを取り出すと、
すでに下着の中で蒸れて熱を持ったそれを躊躇なく咥え込む。

「はむっ、んんっ……ちゅっ、じゅる……ん……」
「あっ、はぁ……あ、んんっ」

じっとりと濡れた口腔に引き入れられ、意識しなくても熱い吐息がこぼれる。
奉仕することにも慣れている男の口淫は的確で、
僕の密部を這いずり回る舌はまるで器用な別の生き物のようだ。
途端に血液がそこに流れ込み、じわりと透明な液が溢れる。
すると、それすらも惜しいというように、
音を立てて先端へ吸い付くとじゅるじゅると音を立てて舐めすすり始めた。

「ふあっ! っく、あっ……は、ん……っ」

陰部へ吸い付かれるたびに、僕の腰がぴくぴくと跳ねる。
既に腰を抱え込むように根元まで咥えこまれ、呼吸のたび喉の奥で何度も締め付けられていく。
必死に漏らす息が陰毛にちらちらと当たる感触さえ気持ちがいい。

何度も唇に陰部を打ち付け、その熱く湿った口腔をじっくり堪能する。
飲み込みきれない唾液が口いっぱいに溜まり、
抽挿を繰り返すたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響いていた。
じくじくと覚えのある衝動が僕を突き動かしていく。
もう溜まりきった熱を吐き出したくて堪らなかった。
だんだんと余裕がなくなり、出し入れするスピードが速くなってく。

「はぁ……イくから……ちゃんと飲んで……っく……」

仕上げとばかりに、僕は最奥まで打ち付けると、
僕は喉奥に直接当たるように熱い精を吐き出した。

「んぶっ! んん……っ!」

ごくり、と男の喉が大きく鳴った。
きちんと飲み込んだことに満足した僕は、
約束通り男のイチモツをこれまで以上の力で踏みつけてあげる。

「ひぐっ、う、ああああっ!」

思わぬタイミングに耐え切れなかったのか、
たった一度の刺激で、男は盛大に白濁を飛ばしていた。
勢いよく吐き出された精子と飲みきれずに唇から溢れたものとが、
男の胸や腹をじっとりと濡らしていく。
開放感にひたっているのか、涙と涎と白濁とした液体でまみれた顔は
普段のイケメンぷりから想像もできないほどぐちゃぐちゃだった。
塗りつけるように掌で軽くこすり付けてやれば、
イったばかりで敏感な身体がぴくんっとおもしろいほど反応した。

「ほら、まだ休むには早いんじゃない。
 次はちゃーんとここで僕を楽しませてよ、ね?」

唾液と先走りで濡れた後孔に男のモノを導くと、
先程よりすこしだけ硬さを失ったそれを蜜壁で咥え込む。

「んっ、あ、ああんっ……!」

僕はさらに自分が高みへ上るため、
挿入の刺激で張りつめたらしいイチモツを締め付けると、ゆっくりと腰を動かし始めた。

——女王様の調教は今夜もまだまだ終わらない。


END

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