高校のバスケ部だった叶斗とマネージャーだった私。
部活の仲間は、10年経った今でもよく遊びに行くほど仲がいい。
けど私はみんなにひとつだけ秘密にしていることがある。
私は叶斗が好きだった……ずっと、ずっと。彼は私の事を異性として見てくれない。
大切な仲間のひとりだから。私もそんなことをおくびにも出すことはなかった。
いつも近くにいるのに、手を伸ばせば届く距離にいるのに、私は自分の想いをひたすら隠して生きてきた。
初めて彼とふたりきりで飲む機会があった。
お酒が入ったことがあり、彼への気持ちが昂る。
そして私は嘘をつく。
「終電逃して帰れないや……泊めてくれない……かな?」
彼の家に着くと今迄塞き止めていた気持ちが涙と共に溢れ出る。そして、彼にこう言う。
「何も言わないで一度だけ抱いてほしい……」
たった一度だけ。そうしたら、またいつもの仲間”に戻るから。
優しい彼を困らせてしまうことはわかっていた。
でももう私の心は限界だった――。
身体の関係から始まった大人なふたりの恋物語をお楽しみください。
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