「俺ね、おうちなくなっちゃったの〜。
だからさ、あんた俺の飼主になってよ!
あったかいおへやの中に入れてくれれば文句言わないからさ。
お掃除とか〜、お洗濯得意だし〜、イロイロご奉仕……するよ?」
小毬と私の出会いは偶然だった。
人恋しくて街に出かけてぼーっとしていた私に彼が声をかけてきたのだ。
ナンパ……といえばナンパなのかもしれないけど……。
なんだかそれとは違う気がした。
ひとりぼっちの寂しさを埋めるかのように、
じゃれあって抱き合って……心なんてなかったけど。
それでもいいって思ってしまった。
彼の瞳はとてもさみしそうだったし……とてもやさしかったから。
気が付いた時には、彼の事が好きになっていた。
でも「付き合いたい」なんていったら彼は——。
身体の関係から始まった大人なふたりの恋物語をお楽しみください。
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